不動産信託受益権とは、信託財産である不動産から生み出される収益を受け取る権利のことです。金融商品取引法上の「みなし有価証券(第2条第2項第1号)」に該当し、法令上の規制を受けます。
現物不動産取引では売買に伴い所有権が移転しますが、信託受益権の仕組みを利用すると、「不動産を所有する権利」と「不動産から生じる収益を得る権利」とに切り分けることができ、信託会社(受託者)が不動産の所有権を保有したまま、受益権だけを移転する取引が可能になります。オリジネーターである不動産の所有者(委託者)は、当該不動産の運営管理に伴う実務負担を回避できる一方、投資家は収益の分配を受け、それぞれ経済的メリットを享受できます。
企業にとっては資金調達や権利関係の整理に柔軟性が生まれ、投資家にとっては不動産信託受益権の小口化により少額からの参加や分散投資が可能になるという双方向のメリットがあります。
不動産セキュリティ・トークン(不動産ST)の多くは、この信託受益権を受益権とする受益証券発行信託の仕組みを採用しています。